椙田(すぎた)です、
「空き家を買うとき、価格交渉はしてもいいんですか?」
空き家や築古の戸建は、価格の交渉が行われることが、少なくありません。ただし、「とにかく安くしてほしい」と言うだけでは、うまくいきません。大切なのは、「なぜ、その価格なのか」を説明できる、根拠です。今日は、価格交渉の前に、整理しておきたい根拠と、交渉の流れを、お話しします。
※この記事は、一般的な考え方です。交渉の結果や、値引きを、お約束するものではありません。売買の判断は、ご自身の責任で行い、必要に応じて、宅地建物取引士や専門家に確認してください。
価格交渉の前に、知っておきたい前提
- 売り出し価格は、売主の希望の価格です。交渉に応じるかどうかは、売主が決めます
- 希望の価格は、多くの場合、買付証明書などの書面で、不動産会社を通じて伝えます
- 買付証明書は、契約そのものではありません。契約の前には、重要事項の説明を受けます
交渉の流れ

整理しておきたい根拠
価格を考えるときの根拠は、次の5つに分けて整理すると、伝えやすくなります。
| 整理する項目 | 確認の方法 | 交渉の材料になる例 |
|---|---|---|
| 修繕が必要な箇所 | 内見で確認し、業者に見積もりを依頼する | 雨漏り、水回りの不具合、床や壁の傷み |
| 残された荷物(残置物) | 内見で量を確認し、処分の見積もりを取る | 家財が大量に残っている |
| 接道・再建築の可否 | 役所で道路の種類を確認、現地で間口を測る | 再建築ができない、私道の承諾が必要 |
| 設備の状態 | 給湯器、トイレ、電気などの動作を確認 | 交換が必要な設備がある |
| 周辺の取引事例 | 国土交通省の不動産情報ライブラリで、周辺の取引価格を調べる | 周辺の取引と比べた、価格の差 |
周辺の取引価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で、調べることができます。取引価格情報が、地域ごとに公開されています。ただし、物件ごとに状態が違うので、あくまで、参考の1つとして見ます。

売主への礼儀と誠実さ
空き家は、売主にとって、思い入れのある家であることも多いものです。交渉のときは、次の点を、心がけましょう。
- 根拠を、丁寧に説明する:「この修繕が必要なので、この価格を考えています」と、理由を添えて伝える
- 相手の事情を、尊重する:売却を急ぐ事情や、家への思いを、頭ごなしに否定しない
- 連絡は、早く、丁寧に:返事を待たせず、約束の期限を守る
- 断られても、感謝を伝える:合意できなくても、関係を損なわない
実際に、僕の経験では、交渉がまとまるのは、10件のうち、1〜2件くらいです。8〜9件は、断られます。ただ、それでよいと思っています。自分から、途中で交渉を打ち切ることはなく、しっかりとした指値を入れるので、結果として、売主側から断られることが多い、という形です。断られる前提で、数をこなすくらいの気持ちで臨むほうが、精神的にも、続けやすいと思います。
安さだけで、決めない
価格が安いことは、魅力ですが、それだけで決めるのは、危険です。再建築ができない、接道に問題がある、修繕費が想定を大きく超える、といった物件は、あとから、負担が重くなることがあります。
関連記事:再建築不可物件のリスク5つ|買ってよい人・やめたほうがよい人の見分け方 / 空き家・ボロ戸建の内見チェックポイント
まとめ
価格交渉の基本は、物件の状態を確認し、根拠を整理し、自分の上限の価格を決めてから、書面で伝えることです。修繕の見積もり、残置物、接道、設備、周辺の取引事例を、根拠として整理しておきましょう。売主への礼儀と誠実さを忘れず、合意できなければ、見送る勇気も、大切です。
※この記事は、一般的な情報の提供です。値引きや、結果を保証するものではありません。実際の判断は、ご自身の責任で行い、必要に応じて、専門家に確認してください。
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