椙田(すぎた)です、
不動産賃貸業の個人事業主として
不動産を売却する場合、
どのような費用が発生するのか?
大まかな相場とともに纏めておきます。
-1.譲渡所得税-
不動産を売却して所得が発生した場合、
譲渡所得税が課税されます。
所有期間が5年未満の不動産の
譲渡所得に対しては約39%もの
高い税率が適用されます。
一方で5年以上の場合には、
20%が所得税として課税されます。
※ 正確には満5年を経過した翌1/1以降。
不動産を転売して利益を得たいという
個人にとってはかなりの痛手です。
※ そもそも反復継続して転売するには
宅建業の免許が必要です。
一方で一定期間住んだマイホームや
賃貸併用住宅の売却益は、
3000万円まで課税されません。
また法人の場合は通常の法人税率と
同じ税率が適用されます。
-2.印紙税-
不動産の売買契約時には
売買契約書を作成します。
売買契約書には売買する不動産の
金額に応じた収入印紙を貼付します。
1000万円から5000万円未満の
不動産を売買する時には1万円の、
5000万円から1億円になると
2万円の収入印紙(税)が必要です。
-3.仲介手数料-
不動産会社を介して不動産を売却すれば、
不動産に対する仲介手数料が発生します。
上限は物件価格の3%+6万円に
消費税が課税された額となります。
最近では仲介手数料の一部を
割引する不動産会社もあります。
仲介手数料は不動産会社の
主な収入源であり、
契約業務を簡略化することで、
低い手数料率を実現していますが、
ファイナンスアレンジなど、
サービスの質が望めないケースもあるため、
サービス内容と仲介手数料の金額を見て、
どこに任せるかを決める必要があります。
-4.抵当権抹消に伴なう費用-
住宅ローンやアパートローンの完済後は
設定した抵当権を抹消します。
抵当権抹消には土地と建物で
それぞれ1,000円ずつの費用がかかります。
またこの作業を、
司法書士に依頼した場合には、
1万円程度の作業費が発生します。
抵当権抹消に伴なう調査の場合にも、
数千円の費用がかかります。
-5.その他雑費-
家の売却時には、
例えば外観や室内を綺麗に見せるための
ハウスクリーニングを実施したり、
一部不要なものを処分することがあります。
ハウスクリーニングを行なうのであれば、
戸建てやファミリー区分マンションの
清掃費は10万円前後が相場です。
不用品の処分も必要でしょうから、
5万円程度の費用を見込んでおきましょう。
粗大ごみとして出せるものであれば、
一つあたりの回収費は1,000円程度ですが、
重くて大きな物を移動する時に
多額の費用が発生することがあります。
短時間でも2~3人に
作業を依頼するだけで2~3万円は
みておく必要があるでしょう。
不動産売却にも様々な費用が発生します。
特に譲渡所得税は、
差益を目指す人にとっては、
対策を検討しなければいけない問題です。
実需の優遇制度が適用になる場合は、
積極的に活用を考えていきましょう。