杉田(椙田)です、
少し前のニュースですが、関西みらい銀行が「業績向上応援融資 みらい活力」というローン商品を始めました。
最大金利が開始時の0.85倍になる、ということで注目されていますが実際はどのような商品なのでしょうか?
詳しく解説していきたいと思います。
業績向上応援融資の概要【関西みらい銀行】
引用元URL:https://www.kmfg.co.jp/news/kmfg_c/download_c/files/20190719_1km.pdf
このローン商品は、「会社の業績が伸びた幅に応じて金利を最大1割超優遇する融資」という珍しい特徴を持っています。
また会社の業績を伸ばすために、年1回の経営診断や助言をセットにしているそうです。中小企業の業績アップの意欲を刺激したい、関西みらい銀行の考えが見えてきますね。
金利が安くなる仕組み
融資する当初は、主に各社の保有資産や負債といった財務面の評価で決まる通常の金利を適用。その後、毎年の会社の決算で売上高や売上高に対する営業利益率の伸びに応じて、貸出金に対する金利を引き下げる仕組みをとっています。
最大まで金利を下げる(0・96倍)条件としては、売上高が前年比で10%以上、営業利益率が5ポイント以上伸ばす必要があります。
これを4回続けると5年目には0.85倍まで下がる、ということですね。
不動産投資には利用できる?
残念ながら「事業性の資金(運転資金・設備資金)」という使いみちに限られているため、この商品をそのまま不動産投資には使えません。
しかし、地銀はメガバンクに比べて不動産融資の敷居がもともと低いので、このような地銀の動きは直接的に利用出来なくとも注目しておいたほうが良いでしょう。
関西みらい銀行の施策からは「黒字化している&5年ほど黒字が見込める法人」を積極的に取り組みたい意思がみえ、直接的な利益より優良な顧客数を増やしたい意図が伝わります。
このような地銀の施策の流れや金利の動きは不動産投資へも活かせる考え方ですよね。
そもそも、現在の不動産投資の融資環境においては、個人属性だけで簡単にフルローンが出る「アパートローン」のようなパッケージ商品はほぼ絶滅していて、どちらかと言えば金融機関は「企業」(個人が法人成りしたような形式だけの会社ではなく、しっかりと主業を持って稼働している組織としての企業です)の多角化で不動産賃貸業をやるという先に貸し出したいと思っているのです。
関西初の業績向上応援融資 みらい活力は上手くいく?
関西の地銀では初の試みとなる「業績向上応援融資 みらい活力」ですが、その実態は「返済能力の高い顧客を多く獲得したい」という意図があるのだと思います。
黒字化している中小企業からすればよいローン商品なので、結果次第で他の地銀にも一気に広がりそうな内容かもしれませんね。
またこのような法人融資の流れから、今後は不動産投資においてもますます投資家の「属性」が重要になってきます。
属性とは繰り返しになりますが、個人の年収とかではなく、しっかりとした資産背景があるか?、また法人ならば主業が儲かっていて返済能力に問題がないか? などが属性として問われます。
今後は、不動産投資できる人、できない人について二極化が進んでいくはずです。そこで銀行から選ばれる属性に飛び付けるか否か、大きな分岐点にさしかかっていると言えます。
こうした融資の厳しい現在だからこそ、物件の収益を安定して伸ばしておき「銀行が貸したい投資家」になる努力をするべきでしょうね。