椙田(すぎた)です、
「空き家を買いたいけれど、いくらまでなら出していいのかが分からない」「周辺の家賃相場を調べて、そこから計算すれば大丈夫だろうか」。これから1軒目を探す方から、よく聞かれる悩みです。
今日は、周辺の家賃から逆算して、「買っていい物件」と「その買値」を見極める方法についてお話しします。周辺の相場を調べて、その相場どおりに家賃を置き、そこから買値を出す。一見正しそうなこのやり方は、実はけっこう危ないところがあります。相場をそのまま信じてしまうと、買値を大きく見誤ることがあるからです。初心者の方が、そのまま使える考え方を、手順に分けて整理します。
※この記事は、一般的な情報の提供です。家賃、税金、保険料、利回りの水準は、地域や物件、契約内容によって異なります。数字の例は、説明のための仮の例です。実際の購入や契約は、役所、税理士、保険会社、不動産会社などに確認したうえで、ご自身の判断で行ってください。
目次
空き家投資は、買値で結果の大半が決まる
最初に、いちばん大事な話をします。空き家投資で儲かるかどうかは、買う前にほとんど決まっています。僕は、数百軒の空き家に関わってきて、そう感じています。
多くの方は、「いくらで貸せるか」ばかりを気にします。もちろん大事なことですが、貸し方は、買ったあとに、ある程度工夫できる部分があります。一方、取り返しがつかないのは、「いくらで買ったか」のほうです。高く買ってしまえば、そのぶん回収に時間がかかります。逆に、安く買えていれば、そもそも負けにくくなります。
だから、周辺家賃から買値を逆算するという作業は、単なる計算ではありません。「ここまで下がらなければ買わない」という線を、買う前に自分で引くための作業です。この記事では、その線の引き方を、順番に説明します。
戸建ての周辺家賃の調べ方と、戸建てならではの難しさ
まず、周辺の家賃をどう調べるかです。アパートやマンションなら、比較的簡単です。同じ建物の中に、似た間取りの部屋がいくつもありますし、近くにも同じような規模の賃貸物件が並んでいます。「この駅で、この広さ、この築年数なら、家賃はこれくらい」という相場が、わりときれいに出ます。
ところが、戸建ては事情がまったく違います。戸建ては、一軒一軒がバラバラです。広さも、築年数も、立地も、駐車場の台数も違います。条件がぴったり同じ、という比較対象が、そもそもほとんど存在しません。
相場は「感覚をつかむ参考値」として使う
だから僕は、周辺の似た戸建てを何件か見ても、その相場に機械的に合わせようとは思っていません。見ているのは、「この程度の家でも、この家賃が取れているのか」とか、逆に「こんなにきれいなのに、この家賃しか取れていないのか」といった、肌感覚です。相場は唯一の正解ではなく、ざっくりした感覚をつかむための参考値、と考えてください。
調べ方としては、次のような方法があります。
- 不動産ポータルサイトで、同じエリアの賃貸の戸建ての募集を見る(募集中の賃料と、掲載されている期間を見る)
- 地元の賃貸仲介の不動産会社に、そのエリアの戸建ての賃貸の動きを聞く
- 近所の看板や、貸家の張り紙で、募集条件を確かめる
- 集合住宅の相場と比べて、戸建てがどれくらい高いか低いかをつかむ
募集賃料は、あくまで「貸主が出している希望の金額」であって、その金額で契約が決まったとは限りません。掲載が長く続いているなら、その金額では決まっていない可能性もあります。ここも、参考値として見ます。
戸建賃貸は「たった一組」でいい:特徴をつくると相場を超えられる
もう一つ、勘違いしてほしくないことがあります。戸建賃貸は、大勢の入居者を集める商売ではありません。一世帯しか入れないのですから、極端に言えば、その家を気に入って借りてくれる人が、たった一組いれば成立します。この前提に立つと、相場の見方が変わります。
たった一組でいい、ということは、周りにない特徴が一つでもあれば、その物件は「唯一無二」になれるということです。
特徴の例1:駐車場が4台停められる
たとえば、駐車場が4台停められる戸建てです。周りを見渡しても、なかなかありません。世の中には、車を4台持っていて、4台分の駐車場が必要な世帯が、一定数います。そういう人にとっては、駐車場4台の家は、ほかに選択肢がありません。だとすれば、家賃が相場より1万円、2万円高くても、選んでもらえる可能性があります。外で駐車場を借りれば、1台分で月に1万円、2万円かかることもあるので、家賃に含まれているほうが安い、という判断になるからです。
特徴の例2:地域で一番安い
では、特徴が何もない、ただ古いだけの家はどうでしょうか。実は、ボロい物件にも武器があります。「安さそのもの」を、唯一無二の特徴にするやり方です。
たとえば、周りの募集を見ると、5万円の戸建て、4万5,000円の戸建てはあるけれど、3万円台がまったくない、という場合があります。そこで、こちらのボロい物件を、3万9,000円に設定します。すると、「この地域で一番安い戸建て」という、それだけで立派な特徴になります。多少古くてもいいから、とにかく安い家に住みたい、という需要はあるものです。その一世帯を狙いにいきます。
どちらのパターンでも、狙いは同じです。一組が決まれば、そこから毎月の家賃が入り始めます。ただし、特徴があっても、必ず決まるとは限りません。だからこそ、次の章の「下限で計算する」が大切になります。
想定家賃は2つ置く:買値は下限の家賃で計算する
周辺の家賃の感覚がつかめたら、そこから買値を決めます。ここで一番大事なのは、想定家賃を1つで置かないことです。理想値と下限値、2つ置きます。
| 種類 | 意味 | 使い方 |
|---|---|---|
| 理想値 | 「これくらいで貸せたら最高だな」という、上のほうの家賃 | 買値の計算には使わない。決まったらボーナスと考える |
| 下限値 | 「どんなに悪くても、最悪これくらいなら決まるだろう」という、下のほうの家賃 | 買値の計算には、こちらを使う |
多くの方は、つい理想値で計算してしまいます。「5万円で貸せたらいいな」で買値を決めて、いざ貸し出したら、4万円でしか決まらなかった。思ったより儲からない。これが「下振れ」です。
僕の考え方はシンプルです。取得したあとに、想定より高く貸せて上振れするのは、大歓迎です。それはボーナスです。でも、下振れだけは起こしたくない。だから、あらかじめ低いほうの家賃で計算しておき、それでも成り立つ買値まで下がったら買います。上振れは受け取る。下振れは起こさない。この保守的な組み方が、失敗しない物件選びの土台になります。
周辺の家賃から、買値の目安を出す例
僕が考える、基本の流れはこうです。「このエリアなら、平均で5万円で貸せているな。このボロさなら、3万円くらいでは貸せるだろう。それなら、1年で回収したいと考えたとき、36万円くらいで買うのが妥当かな」。3万円の12か月分で、36万円です。もちろん、1年で回収する必要はなく、何年で回収したいかによって、買値は変わります。ここで伝えたいのは、建物の見た目ではなく、周辺の平均家賃から考え始める、という順番です。そうすることで、高値づかみを避けられます。
家賃だけでなく、経費も買値の計算に入れる
買値を計算するときは、家賃だけでなく、経費も見ておく必要があります。経費を甘く見ると、帳簿の上では儲かっているのに、財布にお金が残らない、ということになりかねません。家賃から経費を引いた残りが、実際に手元に残る収益です。
| 経費 | 僕の見方(目安) | 注意点 |
|---|---|---|
| 修繕費 | DIY型賃貸借のように、借りた人が自分で直しながら住む貸し方が多いので、大家側の修繕費は大きく見込んでいない | 貸し方によって大きく変わる。普通に貸す場合は、設備の故障や雨漏りへの備えを見込む |
| 固定資産税 | 年間で、家賃の1か月分以内におさまることが多い | 地域、土地の広さ、評価によって変わる。納税通知書や役所で確認する |
| 火災保険 | 1軒あたり、年に7万〜8万円くらいの感覚 | 補償の範囲や建物の状態で変わる。保険会社に見積もりを取る |
これらを全部ひっくるめると、だいたい家賃の15パーセントから20パーセント、多く見積もっても2割くらいを経費として想定しておく、というのが僕のざっくりした目安です。もちろん、地域や物件、契約の中身によって変わります。個別に見てください。
固定資産税や火災保険の詳しい中身は、別の記事で書いたとおりです。ここでは、経費を買値の計算に必ず入れる、という点を押さえてください。
目標利回りと、初心者が狙うライン
次に、買値をどれくらいの利回りで狙うか、という話です。利回りとは、投資した金額に対して、1年間でどれくらい回収できるかの割合です。たとえば、100万円で買った家が、年間25万円の手残りを生むなら、利回りは25パーセントです。単純に計算すれば、4年で元が取れます。
僕自身が狙っている水準を、正直に言います。田舎のほうの物件で、実質利回り45パーセント以上。もう少し街に近い、比較的大きな都市の市街地寄りなら、30パーセントくらいです。ただ、これはあくまで僕の目標であり、「田舎ならいくつ、街ならいくつ」ときっちり線が引けるものではありません。目安として聞いてください。
1軒目から、高い利回りを追わなくていい
初心者の方に、覚えておいてほしいことがあります。この45パーセントや30パーセントという数字を、1軒目からそのまま追いかけなくていいのです。むしろ、追わないほうがいいと思います。
高い利回りを狙おうとすると、どうしてもボロくて手のかかる物件、貸せる状態にするまでに時間もお金もかかる物件になりがちです。数字だけ聞くと魅力的ですが、どちらかというと経験者向けです。ボロい物件をリフォームせずにそのまま貸すのは、初心者には勇気がいります。クレームが来たら怖い、という気持ちも、自然です。
| 経験者の狙い | 初心者の1軒目の狙い | |
|---|---|---|
| 物件のイメージ | ボロくて手のかかる物件も含めて、高い利回りを狙う | 100万〜150万円くらいで、ほぼそのまますぐ貸せる状態の物件 |
| 実質利回りの目安 | 田舎で45%以上、市街地寄りで30%くらい(僕の目標) | 25〜30%くらいでよい |
| メリット | 回収が早い | 始めやすく、入居がつきやすい。手放しやすい |
初心者の方は、まず、100万円から150万円くらいの、ほぼそのまますぐ貸せる状態の物件を、実質利回り25パーセントから30パーセントくらいで選ぶほうが、圧倒的に始めやすいです。比較的きれいな物件には、もう一つ隠れたメリットがあります。いざというとき、手放しやすいことです。ボロボロの家は、売ろうと思ってもなかなか買い手がつきません。ある程度きれいな状態の家なら、もう少し低い利回りでも欲しいという人が出てくるので、あとで売って撤退する道も残せます。
1軒目は、儲けそのものよりも、「大家さんとは、こういうものなのか」と体感することのほうが、価値があります。やってみて、面白い、続けたいと思えるのか。自分には向いていないと感じるのか。それを確かめるための最初の1軒です。だから、いざとなったら引き返せる物件から入るのがいいと思っています。
実際に逆算してみる:買値の上限を出す手順(仮の例)
ここまでの内容を、手順にして、実際に計算してみます。数字は、説明のための仮の例です。実際の物件では、その物件のデータで計算してください。
- 周辺の戸建ての募集賃料を見て、相場の感覚をつかむ
- 理想の家賃と、下限の家賃を、2つ置く
- 下限の家賃から、年間の家賃収入を出す
- 経費(固定資産税、火災保険、修繕の見込みなど)を引いて、年間の手残りを出す
- 目標の利回りで割って、買値の上限を出す
- 初期にかかる修繕費や諸費用を、さらに引く
仮の例として、下限の家賃が月3万円、経費を家賃の2割、目標の実質利回りを25パーセントとして計算します。
| 項目 | 計算(仮の例) | 金額 |
|---|---|---|
| 年間の家賃収入(下限の家賃) | 3万円 × 12か月 | 36万円 |
| 年間の経費(家賃の2割) | 36万円 × 20% | 7.2万円 |
| 年間の手残り | 36万円 − 7.2万円 | 28.8万円 |
| 買値の上限(目標利回り25%) | 28.8万円 ÷ 0.25 | 約115万円 |
| 初期の修繕費・諸費用の見込み(仮に30万円) | 115万円 − 30万円 | 約85万円が、物件の価格の上限の目安 |
この例では、売り出し価格が150万円の物件なら、そのままでは買えません。約85万円まで下がれば、条件に合う、という判断になります。逆に、売主さんが85万円まで下げてくれるなら、検討に値します。下がらなければ、見送ります。
理想の家賃の4万円で計算すると、買値の上限は、もっと高く出ます。ですが、それは下振れしたときに成り立たない金額です。理想値で計算して高く買うと、決まった家賃が低かったときに、利回りが一気に悪くなります。ここが、下限値で計算する理由です。
リフォーム費も修繕費も、全部「買値」に押し込む
買値の上限を決めるときは、もう一段、慎重に考えます。たとえ現状のまま貸すつもりでも、「借り手がつかず、大家の自分がリフォームしなければならなくなったら」という、最悪のシナリオを想定します。そのリフォーム費まで見込んで、買値に織り込んでおきます。
僕の場合は、ボロい物件はなるべく直さず、安く貸すスタイルが中心です。一方で、立地がよかったり、比較的新しくてきれいだったりする物件は、あえて手を入れて、価値を上げて高く貸したり、高く売ったりすることもあります。いずれにしても、原則は一つです。修繕費まで全部含めても、目標の利回りに届く価格まで下がらなければ、買わない。この一線を守ります。
買値がマイナスになることもある
この計算を続けると、買値がゼロを下回る、つまりマイナスになることもあります。「お金をもらって引き取る」取引になるということです。ボロくて、費用がかさむ物件ほど、こうなることがあります。だからこそ、修繕費も、税金も、保険も、かかるものは全部、遠慮なく価格のほうに押し込んでいきます。「この価格まで下がらなければ買わない」と、はっきり線を引く。これが、事故を起こさない買い方の核心です。
見えない修繕費は、金額に置き換えて値引き交渉に使う
現地で物件を見るときは、屋根、床、水回りの状態、隣家との距離、雨漏りや傾きを、重点的に確認します。特に、水回りが傷んでいる家は、直すのに100万円単位でかかることがあるので、その分も含めて、大幅に値下げしてもらう必要があります。
ネガティブな点は、すべて金額に置き換えて、そのぶん安く買えればいい、というスタンスです。自信がない初心者の方は、最初のうちは、そうしたひどい状態の物件を除外してもかまいません。逆に、外壁や屋根がしっかりしている家は、当たりの物件です。多少の内装の劣化は、DIYで直せます。
利回りが想定を下回っても、すぐに失敗ではない
ここで、初心者の方がいちばん怖がるところに触れます。「想定した利回りを下回ったら、失敗なのでは」という不安です。
これは、そんなに深刻に考えなくて大丈夫です。たとえば、想定していた利回りが25パーセントで、回収に4年かかる。これは失敗ではなく、「4年で回収できる」という、それだけの話です。特に、金融機関からの借入れがなく、毎月の返済がない状態で買っていれば、急ぐ必要はありません。
仮に、45パーセントで回る予定が、蓋を開けたら25パーセントだったとしても、世も末、ということではありません。当初5年で持つつもりだったものを、7年に延ばす。回収のスピードは、持つ期間で調整できます。予定より長く持てば、そのぶん期待した利益額は手にできます。
逆に、どれだけ利回りがよくても、貸せなければ意味がありません。利回り100パーセントの物件でも、借り手がつかなければ、絵に描いた餅です。まだ1円も入ってきていない、未来の利益にすぎません。初心者の方には、利回りが多少低くても、すぐに入居がついて、早く家賃の回収を始められる物件のほうが、断然おすすめです。
物件の探し方と出口、買う前のチェック表
最後に、買値を下げるための入口の話を、少しだけします。計算して出した買値まで下げてもらうには、そもそも、安く出てくる物件に出会う必要があります。
空き家の情報は、不動産ポータルサイトには出回りにくいものです。空き家は値段が安いので、仲介する不動産会社が、基本的に取り扱いたがらないからです。2024年7月以降は、制度の見直しで、低廉な空き家の売買の仲介手数料の上限が引き上げられ、以前より市場に出る数は増えました。それでも、不動産会社にとっては安い仲介料に変わりがなく、一般的なポータルサイトに大量に出てくる状況ではありません(制度の内容は、不動産会社に確認してください)。
そこで、探す方法としておすすめなのは、地元の不動産会社の担当者と仲良くなり、情報を回してもらうことです。ここでいう未公開物件は、一般的な意味の極秘の良い物件ではなく、誰も見向きもしない、売れないだろうと思われている「お困り物件」です。所有者も仲介会社も困っているので、大幅な指値が通りやすい、というメリットがあります。
そして、買う前に「出口」を決めておくことも大切です。リフォームして貸すのか、そのまま貸すのか、売却を狙うのか。出口を先に決めておけば、どこまでお金をかけるかの判断軸ができます。買値の計算も、その出口に合わせて組み立てます。
僕は、計算した金額まで下げてもらえないなら、その物件を買わなくても困りません。「僕が困らない取得額まで下がるなら、お引き取りします」という姿勢で交渉しています。高い値段を示したほうが、話がまとまる確率は上がりますが、高く買ってあとで困るのは自分です。それなら、買わないという判断も、立派な選択です。指値の具体的な計算や交渉の基本は、別の記事で書いたとおりです。
買う前の「周辺家賃からの逆算」チェック表
気になる物件が見つかったら、次の表を埋めてみてください。空欄が多ければ、まだ買うべきではありません。
| 項目 | 確認すること | 結果 |
|---|---|---|
| 周辺の募集賃料 | 同じエリアの戸建ての募集賃料。掲載期間はどれくらいか | (自分で記入) |
| 物件の特徴 | 周りにない強みがあるか(駐車場の台数、地域で一番安い家賃など) | |
| 理想の家賃/下限の家賃 | 2つの家賃を置いたか | |
| 年間の経費 | 固定資産税、火災保険、修繕の見込みを入れたか | |
| 目標利回り | 初心者の1軒目なら、実質利回り25〜30%くらいが一つの目安 | |
| 買値の上限 | 下限の家賃と経費から、いくらまでなら買えるか | |
| 初期費用 | 修繕費や諸費用を引いたあとの価格は、いくらか | |
| 最悪のシナリオ | 借り手がつかず、自分でリフォームする場合の費用を見込んだか | |
| 出口 | リフォームして貸すか、そのまま貸すか、売るか |
よくある質問
周辺の家賃相場は、どうやって調べればいいですか?
不動産ポータルサイトで同じエリアの戸建ての募集を見る、地元の賃貸仲介の不動産会社に聞く、といった方法があります。募集賃料は貸主の希望の金額で、その金額で契約が決まったとは限りません。掲載期間も見ながら、参考値として使ってください。
戸建ての家賃相場が、はっきり分からないときはどうすればいいですか?
戸建ては一軒一軒が違うため、ぴったり同じ条件の比較対象はなかなか見つかりません。だから僕は、相場に機械的に合わせず、肌感覚をつかむ材料として見ています。そのうえで、下限の家賃を低めに置いて、買値を計算します。
買値の計算には、理想の家賃と下限の家賃のどちらを使いますか?
下限の家賃です。理想の家賃で計算して買うと、決まった家賃がそれより低かったときに、想定より儲からない下振れが起きます。下限で計算して、それでも成り立つ買値まで下がったら買う。上振れはボーナスとして受け取る、という考え方です。
1軒目は、どのくらいの利回りを目指せばいいですか?
僕の目標は、田舎で実質利回り45パーセント以上、市街地寄りで30パーセントくらいですが、初心者の1軒目からそれを追う必要はありません。100万円から150万円くらいの、ほぼそのまま貸せる物件を、25パーセントから30パーセントくらいで選ぶほうが、始めやすいです。
計算した買値まで、売主さんが下げてくれないときはどうしますか?
見送ります。計算した上限を超えて買うと、あとで困るのは自分です。その物件が買えなくても、別の物件があります。ただ、自分の条件を伝えて交渉してみる価値はあります。修繕費や税金を金額にして根拠を示すと、話が進みやすくなります。
実際の利回りが想定を下回ったら、失敗ですか?
すぐに失敗とはいえません。利回りが下がれば、回収にかかる年数が延びるだけです。借入れの返済がなければ、持つ期間を延ばして調整できます。むしろ、貸せずに家賃が入らない状態のほうが問題です。
まとめ
周辺家賃から買値を逆算するとき、大切なのは次の5つです。相場は、感覚をつかむ参考値として見る。想定家賃は、理想値と下限値の2つを置き、買値は下限で計算する。経費は、家賃の15〜20パーセントを目安に、先に引いておく。修繕費やリフォーム費は、全部、買値の側に押し込む。そして、その価格まで下がらなければ、買わない。
本当の勝負どころは、家賃の設定ではなく、いくらで買ったかです。高く貸せたから儲かるというより、安く買えたから負けにくい。低いほうの家賃で、臆病なくらい保守的に計算し、下がらなければ買わない。その慎重さが、利益を守ってくれます。相場は、あくまで入口の、ほんの参考にすぎません。
初心者の方は、利回りの高さを追いすぎず、すぐ貸せて、手放しやすい物件から始めるのがおすすめです。安く出てくる物件の探し方や、指値の詰め方など、具体的なやり方は、スクールでもお伝えしています。
※繰り返しになりますが、この記事は一般的な情報の提供です。家賃や税金、保険料、利回りは、物件や地域によって異なり、数字の例は仮のものです。実際の購入や契約は、専門家に確認したうえで、ご自身の判断で行ってください。
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