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「市街地」なのに買ってはいけない隠れ地雷物件の条件

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椙田(すぎた)です、

「スーパーも病院も近い、駅からも歩ける。立地は文句なしだから、これは買いだ」。そう意気込んで買ったのに、思ったように入居者が決まらず、毎月じわじわ赤字が出てしまう。市街地の戸建てを探している方から、そんな不安の声をよく聞きます。

今日は、市街地という一等地のように見える場所にあるのに、買ってはいけない「隠れ地雷物件」の条件についてお話しします。僕が地雷と呼んでいるのは、現地を見ても書類を見ても、ぱっと見では分からない問題のことです。見える問題と見えない問題の違い、見えない問題とどう付き合うか、そして最悪のケースを想定して安く買う考え方まで、順番に整理します。

※この記事は、一般的な情報の提供です。通行権や境界、近隣トラブルなどの法律の扱いは、土地の状況や自治体によって異なります。実際の購入の判断は、役所、司法書士、弁護士、不動産会社などに確認したうえで、ご自身で行ってください。

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市街地の戸建てが「地雷」になることがある理由

空き家投資をしていると、山の中や、人の少ない田舎の物件で苦労することのほうが、実際には多いものです。だから、人が多く住んでいて、お店も病院も駅も近い市街地の物件は、喉から手が出るほど欲しい、というのが正直なところです。入居者を探すという意味では、条件のいいエリアであることは間違いありません。

ところが、この「立地は最高」という見た目の良さに引っ張られて、その奥に潜んでいる本当のリスクを見落とすと、思わぬことになります。市街地は昔から人が住んでいるエリアなので、土地が細かく分かれていたり、道が入り組んでいたり、隣の家との距離が近かったりします。田舎の広い土地では起きにくい問題が、市街地ではむしろ起きやすいのです。

市街地の物件を避けましょう、という話ではありません。立地の良さと物件の安全さは別の話で、立地がいいからこそ判断が甘くなる。その甘さが地雷を踏む原因になります。

「見えている爆弾」と「見えない地雷」を分けて考える

地雷物件の話をする前に、問題を2種類に分けておきます。僕は、「見えている爆弾」と「見えない地雷」と呼んで区別しています。

種類 特徴 代表例 向き合い方
見えている爆弾 現地や書類で確認できる。知識があれば気づける 古い擁壁、傷んだ外壁、雨漏りの跡など 買う前に費用を見積もり、価格交渉に使う
見えない地雷 買って運用を始めてから分かる。事前に完全には見抜けない お隣の私道の問題、お隣さんによる嫌がらせなど 最悪のケースを想定し、最初から安く買っておく

見えている爆弾は、怖いようでいて、実はまだマシです。目の前に置いてある爆弾ですから、知識さえあれば「あ、これは危なそうだ」と気づけます。気づければ、買わない、あるいは費用を見積もって値引きしてもらう、という手が打てます。

本当に怖いのは、見えない地雷のほうです。現地を見ても書類を見ても分からず、買って、運用を始めて、しばらく経ってから「こんな問題があったのか」と初めて発覚します。踏むまで分からず、踏んだら大きなダメージになる。だから地雷と呼んでいます。

見えている爆弾の代表格:擁壁

市街地の戸建てで、見えている爆弾の代表格が、擁壁です。

擁壁とは何か

擁壁(ようへき)とは、土地が斜面になっているところで、土が崩れてこないように支えているコンクリートや石積みの壁のことです。高台の家や、坂の途中の家を思い浮かべてください。敷地のへりに、灰色の壁がそびえているのを見たことがあると思います。あれが擁壁です。

この擁壁が、きちんとした基準で作られていれば、問題はありません。けれども、古いものだったり、きちんとした設計をせずに積み上げただけのものだったりすると、作り直すのに何百万円もかかることがあります。場合によっては、その擁壁が原因で、建て替えに制限がかかることもあります。

擁壁のある物件で、現地で見たいところ

擁壁は目に見えるので、現地で確認できます。次のような点を見ておきましょう。

  • 壁にひび割れ(クラック)が入っていないか。大きな割れや、ずれがないか
  • 壁がお腹のように膨らんでいたり、傾いていたりしないか
  • 水抜きの穴が付いているか、水が出た跡や、苔、湿ったシミがないか
  • 石積みの場合、石の間に隙間が空いたり、崩れかけたりしていないか
  • 擁壁が自分の敷地のものか、隣の敷地のものか

不安を感じたら、役所の建築の窓口や専門の業者に相談し、作り直す場合の費用の目安を聞いて、価格交渉に使います。見えている爆弾は、こうして金額に置き換えられます。

見えない地雷の代表:お隣さんの問題

ここからが、今日の本題です。多くの初心者の方がノーマークなのが、「お隣さんが変わった人だった」というパターンです。

笑い事ではありません。物件そのものには何の問題もない。建物もしっかりしている、立地も最高、価格も手頃。それなのに、たまたまお隣に住んでいる人が、トラブルを起こす方だったというだけで、その物件は一気に地雷に変わります。市街地は隣との距離が近いので、影響を受けやすくなります。

具体的にどういうことが起きるのか、代表的な2つのケースでお話しします。

地雷①:お隣の私道を通らないと、家に入れない

1つ目は、かなり深刻なケースです。自分の物件に出入りするために、お隣の私道を通らなければならない、というものです。

公道と私道の違い

道路は、大きく2種類に分かれます。1つは公道で、国や市町村が管理している、みんなのための道です。もう1つが私道で、個人や法人が所有している、私有地としての道です。読んで字のごとく、私の道と書いて私道です。

市街地は、昔から人が住んでいるエリアが多く、土地が細かく分かれて、道が入り組んでいることがあります。その結果、買おうとしている物件の玄関の前の道が、実はお隣さんの私有地、つまりお隣さんの私道だった、ということが起こります。図面をきちんと読めば書いてあることなのですが、慣れていないと気づかないことが多いです。

「通る権利」があっても、安心できない理由

「人の土地を通らないと家に入れないなんて、そんなことがあるのか」と思いますよね。これには法律上のルールがあります。自分の土地が他人の土地に囲まれていて、道に出られない場合には、周りの土地を通らせてもらう権利が、民法で認められています。囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん)という、少し難しい名前がついている権利です。ですから、歩いて出入りすること自体は、基本的にはできます。

「権利があるなら問題ないじゃないか」と思うかもしれません。ところが、そこに変わったお隣さんが登場すると、話が変わります。

  • 「うちの土地を通るなら、通行料を払ってほしい」と言ってくる
  • 入居者さんが通るたびに、嫌な顔をしたり、文句を言ったりする

通行する側が、通行によって生じた損害に対して、償金(いわゆる通行料のようなお金)を払う定めも、民法にあります。つまり、お金を求められること自体は、法律に沿った話である場合があるのです。ここが、やっかいなところです。

そうなると、話し合いで解決するしかありません。ところが、こういう主張をしてくる相手は、話し合いに応じてくれないことが少なくありません。「話し合いましょう」と声をかけても、ドアも開けてくれない、無視される、感情的になられる。お金で解決できる問題なら、まだいいのです。「話が通じない相手」がお隣にいると、手の打ちようがなくなります。

そして、入居してくれた人が、毎日その嫌な思いをします。すぐ退去してしまい、次の人も、またすぐ出ていく。立地は最高なのに、入居者がまったく居つかない。これが、地雷の威力です。

私道の物件で、買う前に確認したいこと

私道が絡む物件では、買う前に、次の点を確認しておくと、リスクの大きさをつかめます。

  1. 物件の前の道が、公道なのか私道なのかを、役所や物件資料、公図などで確認する
  2. 私道の場合、その所有者が誰か(自分の持ち分があるのか、お隣さんの単独所有なのか)を、登記で確認する
  3. 通行や、水道・ガス・排水の配管を通すことについて、所有者の承諾が必要か、すでに書面などがあるかを、売主さんや仲介会社さんに聞く
  4. 必要なら、司法書士や弁護士に、通行の権利の状況を相談する

私道に水道管や排水管が通っている場合は、工事のたびに所有者の承諾が必要になることがあります。承諾が得られないと、水回りの修繕が進められなくなることもあります。登記の見方や、再建築できるかどうかといった道路の条件については、別の記事で書いたとおりです。私道は、そこに「人」の問題が加わる点で、特に注意が必要です。

地雷②:お隣さんからの嫌がらせ

2つ目は、お隣さんによる嫌がらせのパターンです。

たとえば、お隣さんが、こちらの物件の敷地にゴミを投げ込んでくる。これは、実際にある話です。庭にゴミが散らかっていれば、入居者さんが気持ち悪く感じるのは当然です。

よくある対策は、防犯カメラを設置して証拠を撮り、役所や警察に被害を相談するやり方です。ただ、カメラの費用、映像を確認する手間、相談に行く時間がかかりますし、すぐ解決するとは限らず、何か月もかかることがあります。

本業の合間に、気楽に空き家の副業をやろうと思っていた方が、こんなトラブルの対応に追われたら、本末転倒です。心がすり減ってしまいます。しかも、貸したら貸したで、そのトラブルやストレスは入居者さんのものになり、短期間での解約につながります。空室になり、また入居者を探し、また退去される。最悪のループに入ってしまうことがあります。

「お隣さんが変な人」は、買う前に見抜けるのか

では、こうした「変なお隣さん」という地雷を、買う前に見抜けるのでしょうか。正直に言うと、とても難しいです。

物件は内見できます。中も外も見られますし、書類も取り寄せられます。けれども、「お隣さんがどんな人か」は、調べようがありません。仲介会社さんに聞いても、「いやあ、分かりませんね」で終わりです。売主さんも、自分の家を売りたいわけですから、わざわざ「実はお隣に困った方がいて」とは教えてくれません。むしろ、お隣に困った方がいるから売りに出している、というケースもあります。

それでも、できる範囲の対策はあります。僕が実際にやっていることを、表にまとめます。

やること 見るポイント ねらい
物件の周りを、ぐるっと一周歩く お隣の家のゴミの出し方、敷地の荒れ具合、窓に貼り紙がないか、物が敷地の境界を越えていないか 「少し注意したほうがいいかも」というサインを見つける
時間帯を変えて、何度か現地に行く 昼と夜、平日と休日での音、人の出入り、雰囲気の違い 1回の内見では分からない様子を知る
近所の人に声をかけて、話を聞く 地元の事情、過去に揉めごとがなかったか、この辺りの住み心地 不動産会社が把握していない情報を拾う

僕は、なるべく近所の方にも声をかけて、地元の事情を聞くようにしています。世の中には、いろいろな方がいます。面倒なトラブルに巻き込まれそうな物件やエリアは、事前に察知して避けられるなら、避けたいものです。

ただし、ここまでやっても、100パーセント見抜くことは、正直なところ、できません。これは、はっきり伝えておきます。

お隣さん地雷との付き合い方:最悪のケースを想定して安く買う

とはいえ、怖がりすぎる必要はありません。僕の経験では、こうしたお隣さんのトラブルは、だいたい100件物件を買って、1件くらいの確率で当たります。逆に言えば、99件は何ともありません。ゼロにはできないけれど、過剰に怖がる必要もない。では、残りの「いつか踏むかもしれない1件」と、どう付き合うか。答えは、「最初から、最悪のケースで考えて、安く買っておく」ことです。

多くの初心者の方は、その物件が満室で、何のトラブルもなく、絵に描いたようにうまくいく前提で、買う値段を決めてしまいます。「これくらいの家賃が取れて、これくらい利益が出るはずだから、この値段なら買おう」という具合です。ここが危ないところです。

そうではなく、一番悪いシナリオを、先に想定します。

  • もし、お隣さんがトラブルを起こす人だったら
  • もし、最初は思うように入居者が決まらなかったら
  • もし、余計なトラブル対応にお金がかかったら

そのうえで、「それでも、この値段なら何とかなる」というところまで下げた金額で、買っておきます。そうすれば、いざ地雷を踏んでも、最初から安く仕入れているので、対応する余力が残ります。最悪、手放すことになっても、傷は浅く済みます。

トラブルは、起きること自体を防げないことが多いです。お隣さんが変わった人かどうかなど、神様でもない限り、分かりません。けれども、「起きるかもしれない」と予定に組み込んでおき、そのぶん安く買っておけば、起きたときに慌てずに対応できます。予定して、備えておく。これができる人が、長く続けられる人です。

安く仕入れるやり方が、こうした備えと相性がいい

ここで、空き家投資の強みが効いてきます。何千万円もする物件を、金融機関から借金をして買っていると、こうしたトラブルが起きたときに、逃げ場がありません。毎月の返済は続きますし、簡単には手放せません。

一方、僕がおすすめしているのは、取得費用が非常に安い空き家を仕入れて始めるやり方です。もともとの仕入れ値がずっと小さいので、「最悪のケースで考えて、安く買う」ことが、無理なく実現できます。もちろん、取得した後の税金や修繕費などはかかります。それでも、100件に1件の地雷を踏んだとしても、致命傷にならない。これが、初心者の方に、空き家から始めることをおすすめしている理由のひとつです。

「きれいだから安心」は、半分だけ正しい

地雷の話をもう一つ、別の角度から整理します。見た目がきれいな物件、築年数の新しい物件についてです。

きれいな物件、新しい物件は、雨漏りやシロアリ被害のような見えない不具合を抱えているリスクが、相対的に少ないのは事実です。大きな出費に襲われにくいという安心感があります。だから僕は、これから始める初心者の方には、まず、ある程度きれいな物件から入ってくださいとお伝えしています。ボロ屋からいきなり始めなさい、と言っているわけではありません。

ただ、「きれいだから収益が出る」というのは、まったく別の話です。収益物件として本当に見るべきものは、突き詰めれば、次の3つの関係だけです。

  1. その物件に、借り手がいるのか(客付けできるか)
  2. いくらで貸せるのか
  3. いくらで買うのか

見た目がきれいかどうかは、この3つのどこにも直接入っていません。客付けとは、賃貸に出したときに、入居してくれる人を見つけて、契約までたどり着くことです。ここができなければ、収益はゼロです。

同じ家賃なら、安く買ったほうが効率がいい

具体的な例で考えます。数字は仮の例です。同じエリアに2軒あったとします。

A:見た目がとてもきれい B:見た目はそこそこ
売り出し価格(仮の例) 500万円 100万円
貸したときの家賃(仮の例) 月5万円 月5万円
投じたお金に対する戻り方 元を取るまでに時間がかかる Aより、はるかに早く戻る

多くの初心者の方は、きれいなAの500万円に惹かれます。でも、家賃が同じなら、どちらが得かは明らかです。100万円で買って月5万円入るほうが、投じたお金に対して、ずっと大きく返ってきます。つまり、投資したお金が戻ってくるスピードが、まったく違います。見た目がいいというだけで、余計に高いお金を払ってしまっているケースは、本当に多いのです。

極端な例:周りに何もない場所の、新築の家

テレビでおなじみの「ポツンと一軒家」のように、周りに店も職場もない、車がないと暮らせない場所に、ピカピカの新築が建っていたとします。建物はきれいで、設備も新しい。けれども、そこを借りたいと思う人は、どれくらいいるでしょうか。

貸せなければ、家賃はゼロです。家賃がゼロなら、どれほど建物がきれいでも、収益物件としては1円も生み出しません。ただのきれいな箱です。建物の見た目と、貸せるかどうかは、別の話なのです。

見た目ではわからない不具合:内見で疑いの目を持つ

立地は悪くないのに、よく見ると中身に問題が隠れている。これは、僕自身が何度も痛い目に遭ってきたことです。

  • ぱっと見はとてもきれいだったのに、室内をよく見ると、シロアリの被害が出ていた物件
  • クロス(壁紙)に、雨漏りのシミや、黒いカビが浮き出ていた物件
  • 横須賀で買った物件では、外壁に無数のクラック(細かいひび割れ)がびっしり入っていて、結局、外壁を全部塗り直す必要があった
  • 前の持ち主が置いていった家具や家電、いわゆる残置物が、とんでもない量残っていた物件

内見で「きれいだな」と思考を止めてしまうと、こうしたことには気づけません。どこかに問題が隠れていないか、疑いの目で見る必要があります。

内見で見落としやすい小さなサイン

  • 天井の隅に、うっすら茶色いシミがないか
  • 床を歩いたとき、やたら沈むところ、ふわふわするところがないか
  • 壁の一部だけ、妙に新しく貼り替えられていないか(何かを隠すために直したのかもしれない、と考える)

きれいな物件ほど、全体の印象がいいので、人はそこで安心して、細かいところを見なくなります。これが、見落としの原因です。内見で確認する項目の全体像は、別の記事で書いた内見チェックポイントも合わせて見てください。

問題があっても買っていい物件がある:金額に置き換える

では、問題のある物件は、すべて避けるべきなのでしょうか。実は、そうではありません。ここに、空き家投資の面白さがあります。

以前、金子さんという方に紹介してもらった物件で、見た目が本当にきれいな一戸建てがありました。場所も、築年数も、スペックも申し分なく、普通に売りに出せば、800万円、1,000万円で売れてもおかしくない物件でした。

ところが、この物件には事情がありました。過去に、その家で亡くなった方がいて、遺品も残っている、という物件だったのです。いわゆる事故物件で、専門的には、心理的瑕疵(かし)がある物件と呼ばれます。瑕疵とは、欠陥やキズのことです。建物そのものが壊れているわけではないのですが、そこで起きた出来事のせいで、借りる人が心理的な抵抗を感じてしまう。だから、家賃を下げないと、借り手がつきにくい。そういうマイナスを抱えた物件です。

僕は、この物件を150万円で買いました。「150万円もするのか」と思った方もいるかもしれません。ですが、見た目もスペックも、本来は800万円、1,000万円でもおかしくない物件を、150万円で買えているわけです。ここで使っているのが、指値です。

指値とは、売り出し価格に対して、こちらから「この金額なら買います」と金額をぶつけることです。売主さんの言い値で買うのではなく、自分から価格を示します。

マイナスを全部、金額に直す

やっていることは、シンプルです。事故物件で家賃がこれくらい下がりそうだ。借り手がつきにくいぶん、これくらい苦労しそうだ。そのマイナスを、すべて金額に置き換えます。

  • 最悪、家賃がこれくらい下がる
  • 最悪、修繕費がこれくらいかかる
  • 最悪、空室がこれくらい続く

これを全部お金に直して合計し、その金額よりもさらに安く買えるのなら、むしろ良い取引になり得ます。見た目のきれいさに惑わされず、隠れた問題をきちんと洗い出し、金額に落とし込む。ここができると、他の人が敬遠する物件を安く仕入れて、きちんと家賃を生ませることができます。

なお、告知が必要かどうか、どう扱われるかは、状況や契約によって異なります。事情のある物件を扱うときは、必ず仲介会社さんや専門家に確認してください。

買う前に確認したい、市街地の隠れ地雷チェックリスト

最後に、ここまでの内容を、買う前のチェックリストにまとめます。気になる物件の資料を開いて、確認できるところから埋めてみてください。

項目 確認すること 確認先
擁壁 高低差があるか。ひび割れ、膨らみ、水抜き穴の状態。誰のものか 現地・役所の建築窓口・専門の業者
前の道路 公道か私道か。私道なら所有者は誰か 物件資料・役所・登記
通行や配管の承諾 通行や、水道・ガス・排水管について、承諾の取り決めがあるか 売主・仲介会社・司法書士
お隣の様子 ゴミの出し方、敷地の荒れ具合、境界を越えた物、貼り紙 現地(時間帯を変えて複数回)
近所の話 地元の事情、過去の揉めごと 近所の方への声かけ
建物の見えない不具合 シロアリ、雨漏りのシミ、外壁のひび割れ、残置物の量 現地・専門の業者
収益の3つの関係 借り手はいるか、いくらで貸せるか、いくらで買うか 賃貸の仲介会社・周辺の募集状況
最悪のケース 最悪の場合の家賃、修繕費、空室期間を金額にして、それでも成り立つ買値か 自分の計算

埋まらなかった項目は、そのまま仲介会社さんに質問します。たとえば、「前面道路は公道でしょうか、私道でしょうか。私道の場合、通行や配管についての承諾書などはありますか」と聞くだけでも、多くのことが分かります。

よくある質問

市街地の戸建てでも、買ってはいけない物件があるのですか?

あります。立地がいいことと、物件として安全なことは、別の話です。擁壁のように見えている問題もあれば、お隣の私道や近隣トラブルのように、買ってから分かる問題もあります。立地の良さに安心して、確認を省かないようにしてください。

擁壁がある物件は、買わないほうがいいですか?

一概には言えません。状態のよい擁壁もあります。ただ、古い擁壁や、基準に合っていない擁壁は、作り直しに数百万円かかることがあり、建て替えに制限がかかる場合もあります。役所や専門の業者に状況を確認し、費用の見込みを価格交渉に使えるかどうかで判断してください。

私道を通らないと入れない物件は、買っても大丈夫ですか?

通行の権利は、法律で守られている場合がありますが、所有者との関係が悪化すると、通行料の請求や、配管工事の承諾の問題が出ることがあります。所有者が誰か、通行や配管について取り決めがあるかを確認し、不安があれば司法書士や弁護士に相談してください。そのうえで、リスクを織り込んだ安い価格でなければ、見送るという判断も大切です。

お隣さんがどんな人か、買う前に調べる方法はありますか?

完全に調べる方法はありません。ただ、物件の周りを歩いて様子を見る、時間帯を変えて何度か訪れる、近所の方に声をかけて地元の事情を聞く、といった方法で、注意したほうがいいサインを拾うことはできます。それでも100パーセントは見抜けないので、最悪のケースを想定して安く買うことが、基本の備えになります。

見た目がきれいな物件のほうが、初心者には安心ですか?

見えない不具合のリスクが少ないという点では、一定の安心感があります。僕も、初心者の方には、ある程度きれいな物件から入ることをおすすめしています。ただ、きれいなことと、収益が出ることは別です。借り手がいるか、いくらで貸せるか、いくらで買うか、の3つを確かめてください。

まとめ

市街地の物件は、立地が最高だからこそ、見た目の良さに釣られやすく、判断が甘くなります。本当に怖いのは、擁壁のような「見えている爆弾」よりも、お隣の私道や、お隣さんとのトラブルのような「見えない地雷」です。見えない地雷は、買う前に完璧に見抜くことが難しいのが現実です。

だからこそ、物件の周りを歩く、時間帯を変えて訪れる、近所の人に話を聞く、書類で道路と境界を確認する、といった、できることは全部やります。そのうえで、最悪のケースを想定して、最初から安く買っておく。この「安く買って備える」という発想を、ぜひ覚えておいてください。

そして、きれいな物件でも、借り手がいるか、いくらで貸せるか、いくらで買うか、の3つの関係を、自分の頭で確かめることです。見た目に安心して考えるのをやめた瞬間に、物件は地雷に変わります。物件の見極めと、見つかった問題を金額にして交渉する具体的なやり方は、スクールでもお伝えしています。

※繰り返しになりますが、この記事は一般的な情報の提供です。通行権や境界、近隣トラブルなどの扱いは、状況や自治体によって異なります。実際の購入の判断は、役所、司法書士、弁護士、不動産会社などに確認したうえで、ご自身で行ってください。

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