椙田(すぎた)です、
資産管理法人を設立した時に、
勤務先の職務規定への違反と露呈を
心配する人は多いようです。
副業していることが勤務先に明るみになり、
それが職務規定に触れているとなると、
何かしらの罰則を受けたり、
そうでなくとも会社に居心地が悪くなるなど
影響が出る可能性も否定できません。
不動産投資のための法人を作ったら、
その存在は勤務先等にバレるのでしょうか。
またバレないための対策はできるのでしょうか。
-役員報酬を取ると普通徴収に切り替えられない-
会社員は通常「特別徴収」と呼ばれる
給与天引きで住民税を納税します。
個人事業主として不動産投資をしている場合、
住民税は全て自分で納付しますね。
いわゆる普通徴収に切り替えれば、
住民税の額が明らかに他の社員より大きい
=何か副業をして収入がある・・・
ということに気づかれません。
しかし法人として納税をしている場合、
自分の法人で自分に給料を与えると、
それは給与所得に該当します。
そのため普通徴収には変更できません。
何らかの別の給与所得があれば
住民税の額が大きくなり、
副業が会社にバレる可能性が高いのです。
-赤字が大きく発生した場合には注意が必要-
法人ではなく、
個人事業主として住民税を
普通徴収で納付すれば職場にバレない…
思いがちな人もいますが、
大幅な赤字を計上、申告する時は要注意です。
確定申告の際は、
不動産の損失を損益通算した後に、
所得税や住民税から納税しすぎた分が
還付されます。
少しの還付金であれば、
経理の人間も気づかないでしょうが、
大幅な損失を計上した場合には
住民税の額が他の社員よりも低くなり、
ほぼ0円となるかもしれません。
普通に考えればなんらかの赤字で
住民税が安くなっていると
経理の人間はすぐに気づくでしょう。
損失額が大きすぎて、
住民税の金額が大幅に減る時は、
損失の計上を複数の年に跨がらせるなど
対策をとって赤字を分散するしかないでしょう。
-登記簿謄本から明らかになるケース-
また法人を設立すると、
その法人が登記簿謄本に記載がされます。
つまり会社が登記簿謄本を調べれば、
自分の名前で法人を起ち上げていることが
会社に分かってしまいます。
特に今はマイナンバーと会社名で
法人の検索と紐付けが簡単にできるので、
自宅の所在地と法人の住所が一致していれば、
役員名を隠していてもすぐに個人名と
法人を紐付けできてしまうのです。
またネット上には、
法人に務めている役員の名前を
すべて検索する民間サービスがあり、
そこで自分が何らかの法人の役員に
就任していることがバレる可能性もあります。
ただそのためには費用も手間もかかるので
よほど怪しいことをしない限り、
普通の会社が一社員を
そこまで調べ上げることもありません。
バレにくいものの、
調べられたら確実にバレるので、
普段から会社に怪しまれないように
品行方正な行動を心がけることも大切です。
-法人は家族名義で設立するか副業を公表する-
自分の法人から報酬をもらっていると、
普通徴収への切り替えができないため、
会社に副業がバレる可能性は高くなります。
特に利益が大きくなるほど、
他の社員との住民税額に大きな差がつくので、
経理の人間も気づきやすくなるでしょう。
その対策としては、
自身の名義で報酬をもらうのではなく、
家族名義で法人を設立して家族や親族に
報酬を受け取らせるしかありません。
また最近では副業を公認する企業も
増えてきていますし、
副業が禁じられている公務員も、
不動産投資は許可を取れば公認されています。
そのため、
「法人を設立して不動産投資を行っているが、
そのための作業は休日を利用するか、
家族に任せている。
自分はあくまで名義人(出資者)として
運営をしているだけなので、
会社の仕事に差し支えが出ることはない」
などの勤務実態を明らかにした上で
申告をしてしまうのも一つの手です。
ただしあまり利益が大きいと、
同僚からの妬みを受けることもあります。
あくまで副業の申請は、
総務や経理などの一部の部署のみにしておき、
一緒に仕事をする仲間には教えない方が無難でしょう。