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リフォーム・登記・残置物で払いすぎない3つの基準

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椙田(すぎた)です、

「見積もりを3社取って、一番安いところに頼めば、払いすぎることはないはず」。空き家のリフォームや処分を考え始めた方の多くが、そう思っています。ところが、この考え方こそが、払いすぎの典型的なパターンになることがあります。

今日は、空き家のリフォーム、登記、残置物という3つの場面で、払いすぎを止めるための基準についてお話しします。ここでいう「払いすぎ」は、業者さんが悪いから起きるとは限りません。自分の中に、金額を判断する物差しがあるかどうかで決まります。

※この記事は、一般的な情報の提供です。登記、廃棄物の扱い、工事の条件は、物件や自治体によって異なります。実際の手続きや契約は、専門家や役所に確認したうえで、ご自身の判断で行ってください。

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空き家のリフォームで払いすぎる人は「原価感」がない

空き家のリフォームや処分で払いすぎるかどうかは、頼んだ業者さんが良心的かどうかで決まる、と思われがちです。けれど実際には、そうではありません。決め手は、自分の中に「原価感」があるかどうかです。

原価感というのは、これくらいの作業なら、材料と手間でだいたいこれくらいだよね、という、自分なりの相場の感覚のことです。この感覚があるかないかで、同じ見積書を見ても、払いすぎる人と、払いすぎない人にくっきり分かれます。

原価感がないと、見積書の金額が高いのか安いのかを判断できません。判断できないから、「3社の中で一番安いところ」を選ぶという、機械的な基準に頼ることになります。ところが、原価感のないまま最安の業者さんを選ぶと、作業の範囲が足りなかったり、途中で連絡が取れなくなったりして、かえって損をすることがあります。

この記事では、3つの基準を、場面ごとに作っていきます。

基準 場面 見るポイント
1つ目 見積書全般 「一式」を、単価・数量・範囲・廃棄物の種類に分けてもらう
2つ目 リフォーム 単価より「施工面積」を見る。直さない場所を決める
3つ目 登記 物件の値段とリスクに応じて、頼む・自分でやる・やらないを分ける
おまけ 残置物 処分費の原価感を持ってから、頼むかどうかを決める

基準1:見積書の「一式」を分解してもらう

すべての入り口になるのが、見積書です。空き家を直そうと思って、業者さんに見積もりをお願いすると、「一式」という言葉で書かれた項目が出てくることがよくあります。たとえば、「内装工事 一式 50万円」のような書き方です。

この「一式」が、実はクセモノです。総額だけが書いてあって、中で何にいくらかかっているのかが分かりません。分からないから、高いのか安いのかも判断できません。判断できないまま、「まあ、こんなものかな」と払ってしまう。これが、払いすぎの第一歩です。

一式で出てきたら、分けて出してもらう

一式で出てきたら、そのまま受け取らないでください。「単価と数量に分けて、出してもらえますか」とお願いします。分けてもらう項目は、次のとおりです。

  • 単価:たとえば壁紙なら、1平米あたりいくらか
  • 数量:何平米を貼るのか
  • どこまでやるかの範囲:どの部屋の、どの部分まで工事するのか
  • 廃棄物の種類:残置物、つまり置いていかれた荷物やゴミの処分なら、木くずなのか、草なのか、一般ゴミなのか。種類と重さで、単価がまったく変わります

これが、払いすぎないための1つ目の基準です。分けてもらうだけで、どの項目が高いのか、どの範囲が広すぎるのかが見えてきます。

悪い見積もりほど、目立つ単価は吊り上げてこない

ここで、経験の浅い方が引っかかりやすいポイントがあります。単価を相場より高くすると、「この業者さんは高いな」と、すぐ分かってしまいます。そのため、単価は相場どおりにしておいて、まったく別のところで総額を膨らませる、というケースがあります。

では、どこで膨らませるのか。それは、リフォームの話に入ると、はっきり見えてきます。

基準2:空き家リフォームは「単価」より「面積」を見る

見積もりの総額が膨らみやすい場所は、単価ではなく、「施工面積」、つまりどこまで工事するかの範囲です。僕自身、リノベーションの工務店を経営しているので、これは業界でよくある話だと知っています。

単価が相場どおりでも、総額が高くなる理由

クロスの張り替え、つまり壁紙の張り替えを例にします。単価の目安は、たとえば1平米あたり1,000円から1,500円くらいです(地域や仕様によって変わります)。もし、見積書に3,000円や5,000円と書いてあれば、単価として高いな、と判断できます。ここまでは、単価を見れば分かります。

ところが、単価だけを見ていると、足をすくわれます。単価は、1,200円くらいの相場に収まっているのに、総額が思ったより高い。なぜかというと、張り替えなくてもいい部屋の壁まで、工事の範囲に入っているからです。

僕は、これを「過剰リフォーム」と呼んでいます。しかも、業者さんが悪意でやっているとは限りません。むしろ、善意のことも多いです。自分が住むための家のリフォームであれば、隣の部屋の壁だけ汚れて残っていたら、不満に思いますよね。だから、業者さんも、良かれと思って、全部そろえてきれいにしようとします。それ自体は、親切で誠実な提案です。

収益物件では、住む家と同じ水準まで仕上げる必要はない

ここで、一つ、思い込みを外してほしいと思います。「ボロ戸建てなんて、どうせ全部ボロボロなんだから、全部きれいに直さないと貸せない」。そう思っている方は、本当に多いです。

けれど、人に貸して家賃をいただく収益物件では、自分が住む家と同じ水準まで仕上げる必要は、ありません。むしろ逆で、「直さない場所を決める」ことが、利回りを守る一番の技です。

利回りというのは、投資したお金に対して、家賃が1年でどれくらい返ってくるかの割合のことです。過剰リフォームで余分に払った10万円、20万円は、家賃には1円も上乗せできません。壁がきれいだからといって、家賃を月に1万円上げられるわけではありません。払った分だけ、そのまま利回りを下げてしまいます。

だから、見積書を見るときは、単価が相場かどうかだけでなく、「この部屋、本当に張り替える必要があるかな」という目で、面積のほうを疑ってください。

仮の例:面積が倍になると、総額も倍になる

仮の例です。壁紙の単価が1平米あたり1,200円で、本来、70平米を直せば暮らせる物件だったとします。業者さんの見積もりが、仕上がりを考えて140平米になっていたら、単価が同じでも、壁紙の金額は倍になります。

最低限だけ直す場合(仮の例) 全体をそろえる場合(仮の例)
施工面積 70平米 140平米
単価 1,200円/平米 1,200円/平米
壁紙の金額 8万4,000円 16万8,000円
単価の見た目 相場どおり 相場どおり(同じ)

単価はどちらも相場どおりです。それなのに、差が生まれます。これが、単価を見ているだけでは気づけない、払いすぎの正体です。

リフォームする物件と、しない物件を先に分ける

見積もりを取る前に、もう一つ大事な判断があります。そもそも、リフォームするのか、しないのか、という判断です。ここを飛ばして、いきなり見積もりを取る方が多いのですが、順番が逆です。

僕は、物件によって、対応を大きく2つに分けています。

  • 比較的きれいな物件:前の住人が丁寧に住んでいた、築古だけど状態がいい、という物件です。ちょっと手を入れるだけで、物件の価値を引き上げて、相場より少し高い家賃で貸せることがあります。こういう物件は、お金をかけてリフォームする価値があります。
  • 見るからに傷みが激しい物件:ゴミだらけで、ボロボロ、という物件です。僕は、こうした物件には、原則としてお金をかけて見た目を整えるリフォームはしません。元の状態が厳しいと、いくらお金をかけても、家賃に跳ね返ってこないからです。

傷みが激しい物件は、「機能性」だけを見ます。見た目のきれいさではなく、人が暮らしていくうえで、最低限必要な機能だけを見て、必要最低限の補修だけを行う、という考え方です。

直す場所と、直さない場所の線引き

具体的には、次のように線を引いています。

区分 例 考え方
直す(生活に直結する) 雨漏りしている場所、水道から水が出ない、猫の引っかき傷がひどい場所 雨漏りや水が出ない状態では暮らせないので、きちんと直す
直さない場合もある(見た目の問題) 壁紙が少し破れている、床が多少傾いている 見た目が悪いだけで、暮らしには大きな支障がない場合は、直さない選択もある

見た目が悪くても、機能として問題がなければ、直さない。その分、家賃を抑えて、最低限のグレードで貸します。安くてもいいから住みたい、という方は、世の中にちゃんといます。

ただし、傾きや構造に関わる傷みは、状態によっては安全に関わります。判断に迷うときは、必ず専門家に見てもらってください。

業者さんへの伝え方

この考え方を、業者さんに伝えるときは、場所とやり方を、自分で具体的に指定します。「この壁のここだけ直してください。見栄えは悪くていいので、この傷だけ消えればいいです」というように、です。全部おまかせにしません。自分で範囲を決めて、自分で量を決めます。これだけで、見積もりが大きく下がることがあります。

見積もりの見方や、業者さんの探し方そのものは、別の記事で詳しく書いたとおりです。ここでは、「量を自分で決める」という視点だけ押さえてください。

リフォーム費用を下げる、施主支給と便利屋の使い方

最低限の補修に絞ったあと、さらに費用を下げる方法が2つあります。

施主支給で、材料費を抑える

「施主支給(せしゅしきゅう)」という言葉は、聞き慣れないかもしれません。施主というのは、工事を発注する人、つまり物件のオーナーのことです。支給は、渡すことです。施主支給とは、工事に使う材料を、業者さんに用意してもらうのではなく、自分で買って用意し、職人さんには「取り付けだけお願いします」と頼むやり方です。

なぜ、費用が下がるのか。業者さんにまるごと頼むと、材料費の中に、業者さんの利益が上乗せされていることが一般的です。その材料を、自分でネットやホームセンターで買えば、上乗せ分がなくなります。職人さんには、取り付けの手間賃だけを払えばいいので、材料にかかるコストが、半分くらいになることもあります。

僕がよく自分で用意するのは、次のようなものです。

  • ベニヤ板:薄い木の板です。穴のあいた壁をふさいだり、床の補強に使ったりと、ボロ戸建ての補修に、よく使います。
  • 除草剤:空き家は、庭が草だらけになっていることが多いので、自分で買って、自分で撒きます。

誰でも買えるシンプルな資材を、わざわざ業者さん経由で、割高に買う必要はありません。事前に自分で調達して、「材料はこちらで用意したので、施工だけお願いします」と渡します。

ただし、業者さんによっては、施主支給を受けていない場合や、材料の不具合があったときの責任の範囲が変わる場合があります。依頼する前に、施主支給が可能かどうかを必ず確認してください。

業者ではなく、便利屋さんに頼む

リフォームというと、専門の「リフォーム業者」を思い浮かべる方が多いと思います。ただ、会社として動いている業者さんは、営業の人件費や会社の経費が、どうしても金額に乗ってきます。

そこで、僕がよく使うのが、便利屋さんです。便利屋さんは、ちょっとした困りごとを、何でも引き受けてくれる人たちです。電球の交換から、家具の組み立て、ちょっとした大工仕事まで、幅広く対応してくれることがあります。

機能性だけを直す最低限の補修は、立派なリフォーム業者さんを呼ぶほどのことでもない場合があります。「ここの板だけ張ってほしい」「この蛇口だけ交換してほしい」とお願いすれば、業者さんに頼むより、安く済むことが多いです。

物件が自分の家から近い場合は、自分でやってしまうのが、究極の節約です。ベニヤ板を張る程度なら、慣れれば自分でできますし、除草剤を撒くのは、誰でもできます。自分の手を動かせば、人件費はかかりません。ただし、電気・ガス・水道の工事など、資格が必要な作業や、安全に関わる作業は、無理をせず専門の業者さんに頼んでください。

基準3:登記は「頼む・自分でやる・やらない」で分ける

面積を見るのがリフォームなら、登記は、そもそも「頼むか、頼まないか」から選べる場面です。

家の名義を、前の持ち主から自分に移す手続きを、所有権移転登記といいます。これをやって初めて、その家が自分のものであることを、第三者に対して主張できるようになります。ふつうは、司法書士さんという専門家にお願いします。

司法書士さんに頼む場合の報酬の目安

報酬の目安は、土地が1つ、建物が1つというシンプルなケースで、4万円から7万円くらいです。安い司法書士さんなら3万円ほど、逆に8万円を超えると、少し高いなと感じるくらいの感覚です。敷地がとても広かったり、土地がいくつにも分かれていたりすると、もっと上がります。地域や案件によって違うので、あくまで目安として、複数の司法書士さんに確認してください。

物件の値段に応じて、頼み方を変える

僕がお伝えしたいのは、所有権を移すだけの登記であれば、自分が買った物件については、本人で申請することも可能だということです。司法書士さんというお仕事を否定しているわけではまったくありません。複雑な案件なら、迷わずプロにお願いすべきです。

ただ、1円や20万円で買ったようなボロ物件で、毎回3万円、5万円を払っていたら、その分だけ最初の持ち出しが増えます。家賃で回収し終わるまでの時間が、長くなります。物件が安いほど、登記費用の重みが相対的に大きくなるわけです。だから、物件の値段に応じて、プロに頼むのか、自分でやるのかを分けます。

物件の例 登記の考え方 理由
数千万円の物件 専門家に頼んで、きちんと登記する 名義がはっきりしていないと、万が一のときに大きな問題になる
数十万円程度の物件 自分で申請することも検討する 登記費用の重みが相対的に大きく、初期費用を下げれば回収が早くなる
複雑な権利関係の物件 迷わず専門家に相談する 手続きが複雑で、ミスの影響が大きい

「そもそも登記しない」という選択肢について

もう一つ、「そもそも登記しない」という選択肢もあります。たとえば3,000万円の家であれば、迷わず登記しておいたほうがいいです。名義がはっきりしていないと、万が一のときに厄介なことになるからです。

一方で、僕が1円や20万円で手に入れたような物件の中には、あえて登記をせずに持っているものもあります。理由は、シンプルです。もし何かあって取られたとしても、損失はその程度だからです。

ただし、これはあくまで、僕自身が自己責任で判断していることです。登記をしないと、第三者に所有権を主張できない、売却や融資のときに手続きが止まる、相続のときに権利関係が複雑になる、といったリスクがあります。真似をおすすめするものではありません。気になる方は、必ず司法書士さんなどの専門家に相談してください。

大事なのは、物件の値段とリスクに応じて、登記にかけるお金を変えるという発想です。すべてにきっちりお金をかけるのが、正解ではありません。ここで初期費用を下げられれば、その分、家賃で回収し終わるまでの時間が短くなります。つまり、利回りが上がります。これが、3つ目の基準です。登記の基礎については、別の記事でも整理しています。

残置物の処分費は「原価感」を持ってから頼む

この「原価感」が、いちばん効くのが、残置物の処分です。残置物というのは、前の持ち主が置いていった家具や家電、ゴミのことです。空き家、特に激安の空き家では、荷物が山盛りのまま引き取ることが多くあります。ここで、いきなり業者さんに丸投げすると、払いすぎになりやすいです。

残置物の処分方法と費用の全体像は、別の記事で書いています。ここでは、原価感を作るための考え方だけ紹介します。

軽トラック1台分のゴミ処分は、いくらかかるか

まず、自分の中に原価感を作りましょう。クリーンセンターに家庭ゴミとして持ち込む場合、目安は1キロあたり10円くらいです。ただし、これは自治体によって大きく違います。必ず、お住まいの地域で確認してください。

軽トラックは、最大で350キロほど積めるとして、実際に安全に積めるのは、300キロくらいです。1キロ10円なら、300キロで3,000円ほどです。一方、事業者として持ち込むと、事業系ゴミの扱いになって、種類によっては1キロあたり50円から100円くらいになります。300キロなら、1万5,000円くらいです。

ここに、人の手間も乗せて考えます。作業員さんの日当を2万5,000円くらいと見て、車のガソリン代や、業者さんの利益も足していくと、軽トラック1台分で、だいたい4万円から5万円くらいです。これは、あくまで僕の頭の中のざっくりした計算で、実際の金額は、地域や荷物の種類で変わります。

項目 目安(一例) 補足
家庭ゴミとして持ち込む場合 1キロあたり10円くらい。300キロで3,000円ほど 自治体によって大きく違う
事業系ゴミとして持ち込む場合 1キロあたり50円から100円。300キロで1万5,000円ほど 種類によって変わる
作業員さんの日当 2万5,000円くらい 地域や業者さんによって違う
軽トラ1台分の総額の感覚 4万円から5万円くらい 僕のざっくりした計算(ガソリン代、利益を含む)

原価感があると、見積もりが判断できる

この「だいたいこれくらい」という感覚が、自分の中にあるかどうかが決定的です。原価感があれば、業者さんの見積もりが相場より3万円高くても、「この手間を引き受けてもらえるなら妥当だな」とか、「これはさすがに高すぎる」と、初めて判断できます。逆に、原価感がゼロだと、何を言われても、言い値で払うしかありません。

一度でいいので、自分でゴミを捨ててみてください。重さの感覚、かかる費用、かかる労力を、一度体で覚えると、原価感が一気に立ち上がります。そのうえで、数万円高くても、業者さんに頼む価値があるかどうかを、自分で判断すればいいのです。

ここで気をつけてほしいのは、相見積もりを取って、ただ一番安いところに丸投げするのが、いちばん危ないということです。安さだけで選ぶと、作業の途中で放り出して、連絡が取れなくなるような業者さんも、残念ながらいます。冒頭で、「一番安いところに頼めば、損しない」というのは、典型的な落とし穴だとお話ししました。原価感のないままの最安は、むしろ、いちばん損をしやすいのです。

そもそも「捨てない」という手もある

捨てずに済ませる方法もあります。地方の広い家、たとえば部屋が7つあるような7LDKであれば、腐る生ゴミだけは出して、腐らない家具や家電は、1つの部屋にまとめてしまいます。その部屋を開かずの間にして、残りを6LDKとして貸し出します。処分費はほぼかからず、部屋数は1つ減りますが、その分早く貸し出せて、家賃が入り始めるのも早くなります。捨てるより、貸せる状態にするほうが早い、という発想です。

旧所有者さんに処分をお願いする方法

もう一つ、元の持ち主さんに処分をお願いする方法があります。大家である僕が、事業として捨てると、事業系ゴミの扱いになることがあります。でも、もともとそこに住んでいた旧所有者さん本人が捨てるなら、家庭ゴミとして扱える場合があります。そのため、こちらが実費を負担して、本人に処分してもらう、という進め方です。僕は問題ないと考えていますが、ゴミの区分は、自治体によって細かく違います。必ず、事前に役所に確認してください。

なお、ここまでの話は、最初の1軒目、近場の物件を、自分の手でやる前提です。遠くの物件を人に任せて運営する方法もありますが、それは別のテーマです。まずは、近場を自分の手で、が基本です。

削るお金と、削らないお金の線引き

ここまで、リフォーム、登記、残置物と、一貫して「払いすぎるな」という話をしてきました。削れるところは、はっきりした基準を持って削っていく。それが、利回りを守り、家賃収入を厚くしていきます。

ただ、値切らないほうがいいお金が、一つあります。仲介手数料です。物件を紹介してくれる、仲介業者さんへの手数料です。ここをケチる方が、ときどきいます。けれど、これは逆効果になりやすいと、僕は考えています。

0円や激安の空き家は、表に出てくる前の、内々の情報で決まることが多いからです。その情報を回してくれる人に、「この人は、手間に対して、ちゃんと払う人だ」と思ってもらえるかどうか。家賃収入の一番の入り口は、そもそも、よい物件に出会えるかどうかです。その入り口を、数万円をケチって、自分の手で閉じてしまうのは、もったいないことです。

払いすぎないことと、ケチることは、別物です。削るところは徹底的に削る。でも、後々の利益につながる先行投資的な費用は、惜しまずに払う。この線引きができる人が、結局は強いと思っています。

よくある質問

リフォームの見積もりは、3社取って一番安い業者に頼めば払いすぎませんか?

最安の業者さんに頼めば安心、とは限りません。安さだけで選ぶと、作業範囲が足りなかったり、途中で連絡が取れなくなったりすることもあります。自分の中に原価感を持ち、見積書の中身(単価、数量、範囲)を比べたうえで、依頼先を決めてください。

見積書に「一式」と書かれていたら、どうすればいいですか?

そのまま受け取らず、単価、数量、工事の範囲、廃棄物の種類に分けて、出してもらうようにお願いしてください。分けてもらうと、どこが高いのか、どこが広すぎるのかが見えてきます。

所有権移転登記は、自分でもできますか?

所有権を移すだけのシンプルな登記であれば、本人で申請することも可能です。ただし、権利関係が複雑な物件や、不安がある場合は、司法書士さんなどの専門家に相談してください。司法書士さんに頼む場合の報酬は、土地が1つ、建物が1つのシンプルなケースで、4万円から7万円くらいが目安です。

残置物の処分費用の「原価感」は、どう作ればいいですか?

家庭ゴミとして持ち込む場合の1キロあたりの単価、軽トラックに積める重さ、作業員さんの日当を、それぞれ確認して、軽トラック1台分でだいたいいくらになるか、計算してみてください。一度、自分でゴミを捨ててみると、重さや費用、労力の感覚がつかめます。自治体によって金額は違うので、お住まいの地域で確認してください。

施主支給とは何ですか?

工事に使う材料を、自分で買って用意し、職人さんには取り付けだけを頼むやり方です。業者さんが材料に乗せている利益の分が減るので、材料費を抑えられることがあります。ただし、業者さんによっては受けていない場合や、責任の範囲が変わる場合があるので、事前に確認してください。

まとめ

リフォーム、登記、残置物。払いすぎを止めるために大事なのは、業者さんを疑うことではなく、自分の中に原価感を持つことです。

1つ目の基準は、見積書の「一式」を、単価・数量・範囲・廃棄物の種類に分けてもらうこと。2つ目は、リフォームでは単価よりも施工面積を見て、直さない場所を決めること。3つ目は、登記を、物件の値段とリスクに応じて、頼む・自分でやる・やらないに分けて考えることです。残置物は、軽トラック1台分でいくらかかるかを、自分なりに計算できるようにしておきます。

そして、削るところは徹底的に削る一方で、紹介してくれる仲介業者さんへの手数料のように、後々の利益につながる費用は惜しまない。払いすぎないことと、ケチることは別物です。

原価感の作り方や、見積書の具体的な見方は、スクールでもお伝えしています。

※繰り返しになりますが、この記事は一般的な情報の提供です。登記、廃棄物の扱い、工事の条件は、物件や自治体によって異なります。実際の手続きや契約は、専門家や役所に確認したうえで、ご自身の判断で行ってください。

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